なんだかここ1ヶ月プロ野球の話ばかりになっているこのblogですが、プロ野球球団の合併なんて45年ぶり(大映ユニオンズが毎日オリオンズと合併して以来)の話なんで…(^^;)。
さて、近鉄球団買収をぶち上げたライブドア社長の堀江氏は、「オレは本気だぞ!」という意気込みを記者会見で述べられていたようですが、近鉄側は歯牙にもかけていない…といったようで。
また、一部オーナーの反発もすさまじいですね。「俺の知らないところには買わせん」みたいなことまで言っちゃってる人もいるみたいですが。
プロ野球ファンや多くの選手たちには、「球団が減るよりは…」ということでおおむね賛成のようですし、またプロ野球界の古い体制を打破する期待を堀江氏に抱いている人も少なからずいるようです。
でも、会見の内容だけでは「『ライブドア・バファローズ』をどのようにしたいのか…」という点が今ひとつ見えてこないんですよね。「ベンチャー経営のノウハウを活かす」ってだけでは…。
会見で出た具体的内容としては「選手やスタッフ・OBにストックオプションを持たせる」「株式公開してファンにも球団株を買ってもらう」といったことが出てきましたが、方向性はまったく見えてきません。
最近急成長とはいっても基礎体力は心許ないライブドアですから、今までのバファローズみたいに「赤字垂れ流し」なんてことしていたら数年で破綻するでしょうから「赤字を出さない(あるいは最低限にとどめる)」運営をせざるを得ないでしょう。「独立採算できる体制を目指す」とは会見で言ってましたけど。
「ライブドア・バファローズ」が目指す方向性は大きく分けると2つあるといえるでしょう。ひとつは「収入を増やす」方向、そしてもう一つは「支出を減らす」方向です。
「収入を増やす」方法としては、「お客を呼べる」スター選手をどんどんかき集めて最強のチームを作る(読売・ヤンキース・レアルマドリッドなどのように)、空白地でその地域における「独占的地位」を志向する(福岡ダイエー・北海道日本ハムなどのように)などが考えられます。
まあ「本業」を活かしてインターネットによる展開も考えとしてはありうるでしょうけど可能性的には未知数でしょう。
これらの方法は当然多額の資金は必要になりますが、社長自身の個人資産を投げ打つ覚悟でやれば決して不可能ではないと思いますが、失敗すれば個人どころか会社そのものまで破滅の可能性もありますし、はたしてそこまでの覚悟があるかどうか…。
「支出を減らす」方向としては、成績に見合う以上の高年俸の選手は基本的に放出・年俸のアップ率は最低限に抑える・新人獲得に余計な金はかけない(「裏金」などもってのほか)…など、現在のプロ野球チームでいえばまさにオリックスや広島のような経営です。
近鉄球団は毎年40億円の赤字と言われていて、その額を前提に「ライブドアが支えきれるわけない」と言っている人もかなり多いようですが、やり方次第では収支トントンまではいかずとも赤字を縮小することは十分に可能と思えます。
上記(高年俸選手放出・年俸・新人獲得費用)以外に本拠地球場は使用料が高いドームではなく安い野外の球場にする・キャンプは本拠地周辺で行う・移動は本州内に関してはすべてバス移動(北海道は仕方ないから飛行機)・etc…などをすればびっくりするような赤字額にはならないと思われます。
まあ、実際その方法で収支トントンまでもっていったら、東京六大学における東大以上の弱体チームができあがりそうですが(^^;)(シーズン成績10勝125敗なんてこともありそう)、編成・育成の仕方次第では大リーグのオークランドアスレチックスのように「そこそこ」のチームはできあがるかもしれません(日本はアメリカ以上に戦力均衡の仕組みが整っていないからかなり難しいと思いますが)。
いずれにしても現状のままで行けば「赤字垂れ流し」は確実なわけで、「収入増狙い」「支出減狙い」のどちらにしても(「バファローズ」の名は残るにせよ)選手など体制の大幅な変化は避けて通れないものと思われますので、中村ノリ選手とか(ひょっとしたら岩隈選手なんかも)放出される可能性は高いと思われますが、現大阪近鉄のファンはそれでも「ついて行く」のでしょうか。
最低でも「野球のことがよくわかっているGM的人材」は必要でしょう。素人が「やきゅつく」の感覚でやって成功するとはちょっと考えられませんし。